スタジオ選びで迷ったら～撮影コンセプトとは

Posted by staff6 on 2024年2月20日

スタジオ選びに悩んだり迷ったことはありませんか？数多く存在するハウススタジオや自然光スタジオなど、迷い始めると何を基準に選べばいいのかわからなくなってしまいます。そんな時大切なのは撮影コンセプトです。この記事ではスタジオ選びで迷った時の指針にもなる撮影コンセプトについて書いています。

撮影コンセプトとは、撮影する際の基本的なアイデアや伝えたいメッセージ、ストーリーなどを指します。具体的には内容やテーマ、スタイル、雰囲気など、写真や動画全体を構築する基盤となる素材や概念のことです。撮影の目的や意図を明確にし、方向性に沿ってゴールを目指す指針となります。

例えば、ファッション雑誌のコンセプトは「都会的で洗練されたシックな雰囲気を演出する」といった風に作られたり、商品撮影のコンセプトは「商品の特徴や利点を最大限に引き出す」といった風に作られます。ポートレート撮影のコンセプトは「被写体の個性や魅力を引き立てる」などのように作られます。

どのように仕上げるかを明確にすることで、撮影する内容や方向性が具体的になり、効果的な作品を生み出すための指針となります。チーム全体が同じ方向を向いて作業を進めることができるため、効率的に制作が可能になります。

スタジオやハウススタジオ選びでも、撮影コンセプトがしっかり決まっていると比較的スムーズに選ぶことができるでしょう。

・撮影目的を考える
まずは撮影の目的を明確にしましょう。撮影するコンテンツやテーマは何か、どのような目的で撮るのかを考えます。

例えば、商品の撮影、ポートレート撮影、ファッション撮影、それぞれに目的があるはずです。自身が企画できる立場であれば目的を明確にします。クライアントの希望に沿うケースの場合は打ち合わせを元に目的をあぶりだしましょう。

・クライアント、ターゲットや視聴者を考える
撮影するコンテンツを見るであろうターゲット視聴者はどういう方でしょう。興味や関心が高いジャンルやテーマを調べることで伝わりやすい撮影コンセプトを立てることができます。

撮影コンセプトが決まったらスタジオを選びます。選択肢が広くて決められない方や、撮影コンセプトがはっきりしない方は事例探しをしましょう。

まず希望とする仕上がりの似たようなジャンルやテーマで活動しているクリエイターの作例を探します。作例からヒントを得ることで、撮影コンセプトをより明確化することができます。スタジオ選びのアイデアは沢山の情報を見ることからも生まれてくることでしょう。

ただし著作物を模倣する行為は著作権侵害になりますので、あくまでも最終的にオリジナルを仕上げることを心掛けてください。

撮影コンセプトに合致するスタジオを選ぶために、複数のスタジオの提供するサービスや設備を比較しましょう。設備や背景、照明などが充実しているかどうかを確認し、テーマに沿った撮影スタイルに適したスタジオを選ぶことが重要です。

こちらの記事も参考にしてみてください

スタジオ選びに迷った場合、スタジオのスタッフに相談したり、下見を行うことで解決することがあります。
下見でスタジオの雰囲気や設備がわかり、照明などを実際に体験することで、自分にとって最適な選択ができる可能性が広がります。

思い切ってスタジオのスタッフに相談すると、一部のスタジオでは撮影目的や予算に応じた最適なプランを提案してくれることがあります。悩みが解決し最適なスタジオを選ぶことができます。

時には撮影コンセプトが引き出せず、スタジオ選びに困ることがあります。例えば写真を先に撮ってから企画をする事案や、仕上がりイメージが固まっていない場合です。

また、作品撮りなどスタジオ利用が私的な目的の場合は「私の写真の好みは？」といった感覚的なところからキーワードを引き出し、それに沿ったスタジオを選ぶというのもひとつの方法です。

事例としては下記のようなイメージからコンセプトを導き出します。

明るく爽やかな写真が好き→自然光がたっぷり入るスタジオ
スモーキーな写真が好き→窓のないグレー系の壁紙のスタジオ
無機質でシンプルな写真が好き→ホリゾントスタジオや白壁のあるスタジオ

などといった感じです。下記のチェックシートも参考に探してください。

スタジオ選びで迷ったら撮影コンセプトを練り、ここまで書いてきた方法で進めてみてください。撮影の方向性が決まらない時にはこの記事が参考になると幸いです。最終的にクライアントや自分のニーズに合ったスタジオを選ぶことが大切です。

などといった記事も参考にして決定していきましょう。　

執筆：森川ゆみ子

日本写真講師協会（JPIO）認定講師/写真家

個人事業主様、企業様の商品イメージの撮影、サロン撮影プロフィール撮影などと並行して企業研修や写真撮影セミナー、撮影に関するコンサルティングを行っている。