レンタルスタジオの撮影では室内の明るさや常設の照明器具だけでは撮影イメージにあった仕上がりにならないことがあります。
照明器具でライティングをすることで、より自然で魅力的な写真が仕上がります。
持ち運びが容易で手軽に使用できる クリップオンストロボはコンパクトで軽量で、ロケ撮影の際に荷物を減らし、効率を上げることができます。 ここぞという時にクリップオンストロボをさっと取り出して写真のクオリティをあげていきましょう。
照明器具は主に暗い場所での撮影や明るさを調整したい場合に利用しますが、実は暗い時だけではなくストロボなどを使うことで写真の印象を変える効果が期待できます。
室内の光が十分でない場合、ISO感度をあげることで適切な露出の写真を撮る方法がありますが、それには限度があります。ISO感度を上げすぎると、ノイズが増え、ダイナミックレンジが減少し、画質が劣化する可能性があります。また、色粒子の問題やシャッタースピードの制約も発生します。
クリップオンストロボや他の照明器具を使って部屋全体を明るくしたり、被写体に向けて照射することで適切な露出と細部の再現、美しいライティングを実現することができます。
照明器具を背後に配置することで、被写体の周囲に輪郭をつけたり、ハイライトを作り出すことができます。これによって、被写体と背景の境界をはっきりとさせたり、立体感を演出したりすることができます。
全体にぼやっと光が回って締まりがない写真に仕上がる時などにはとても効果を発揮します。取り回ししやすいクリップオンストロボであれば手軽にライティングすることができます。
照明器具を用いてハードライト(強い直射光、日差しの光感)とソフトライト(柔らかい拡散光、回り込む光)を作りこむことで、日中の明るい光や朝・夕方の柔らかい光を表現することができます。
自然光の入るレンタルスタジオで思うように太陽光が入らない場合は、あえて窓を黒布などでさえぎり、ストロボで人工的に太陽光らしい光を作りこむと良いです。
また元々ある日差しに演出として追加することでも雰囲気つくりをすることができます。
求めている季節や時間帯に合わせて、オレンジ系のフィルターをストロボにかけて秋や夕方の演出。青系のフィルターをかけて、冬や早朝の演出をしてみることで季節感や時間帯を変えることもできます。ジェネレーターのないクリップオンストロボであれば気軽に演出光を補足することが可能であると言えます。
照明器具を用いて特殊な光の演出を行うことで、独自の雰囲気を作り出すことができます。個性的な写真を求めているなら一度はチャレンジしてみてもいいかもしれません。
逆光にする※ありえない位置から差し込む光はインパクトを与え目を止める効果があります。
色を足す※カラーフィルターをいくつか用意しておくと手軽にアクセントライトが作れます。
形を写りこませる※写真を構成する要素の中で、光と影は非常に重要な要素です。
硬さや柔らかさを演出する※写真のイメージの最大の効果・演出です。デフューザーなどを使い自由にコントロールできると幅が広がります。
撮影シーンや被写体に応じて照明器具の選択と配置を工夫し、より表現豊かな写真や映像を創り出すことを意識することが重要です。
レンタルスタジオで実現するためには、スピード感も必要になってきます。そのためにはライト設営が手軽にできるクリップオンストロボを自由自在にあやつれるように日ごろからテストしておきましょう。
ライトの方向と角度を考慮するストロボの光は強力で、適切な角度や方向を選ぶことで被写体に美しい陰影を生み出すことができます。被写体の輪郭を強調するために、クリップオンストロボを斜め上から光らせることで立体感を出すなど、ライトの角度を工夫しましょう。
ディフューザーを使用するクリップオンストロボは強い直射光を発しますが、被写体に柔らかな光を当てたい場合はディフューザーを取り付けることが重要です。ディフューザーを使うことで光が広がり、被写体を優しく包み込むような自然な仕上がりになります。
バウンスライトを試すクリップオンストロボの光を直接被写体に当てるのではなく、壁や天井にバウンスさせることでより柔らかく均一な光を得ることができます。ライティングが自然に見えるため、ポートレート撮影などに特に効果的です。
色温度を調整するクリップオンストロボと自然光の色温度が異なる場合、被写体に色ムラが生じることがあります。そのため、ストロボの色温度をカメラの設定や色温度調整フィルターを使って自然光に合わせることが重要です。
背景を考慮する被写体だけでなく、背景も重要な要素です。ストロボの光の強さや角度を調整することで、背景を生かしたり、逆に主役を引き立たせたりする事ができます。手軽に配置できるクリップオンストロボを使うと容易に実現できます。
ハウススタジオや自然光スタジオでのストロボライティングは、写真のクオリティをより高度なものに変える効果があります。
ロケに持って行く荷物の中に、クリップオンストロボと設置用のスタンドをいれておくことで撮りたい写真をしっかり実現していきたいですね。
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執筆:森川ゆみ子
日本写真講師協会(JPIO)認定講師/写真家
個人事業主様、企業様の商品イメージの撮影、サロン撮影プロフィール撮影などと並行して企業研修や写真撮影セミナー、撮影に関するコンサルティングを行っている。
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